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「風の時代」とプロジェクトマネジメント
PJ活動お役立ちコラム
第19回 2021年04月06日
「風の時代」とプロジェクトマネジメント
2020年末あたりから「風の時代」という言葉を耳にしていませんか?
2020年の新型コロナウイルスの影響で、新しい社会構造や価値観が求められています。
同時に西洋占星術の世界では、2020年末に約220年ぶりの新時代「風の時代」になったそうです。
突然「占星術」の話を出すと、正直少し引いてしまうかもしれません。
しかし、決して「占星術」をすすめているのではなく、この「風の時代」を知ることが、昨年からの大きな社会変化を理解し、新しい時代でプロジェクトマネジメントを遂行していく上でのヒントになると考えます。
今回は「風の時代」について解説している本の内容を中心に、「風の時代」と「風の時代におけるプロジェクトマネジメント」について考えていきたいと思います。
「風の時代」について解説している本は以下です。
著者:yuji
署名:「風の時代」に自分を最適化する方法 220年ぶりに変わる世界の星を読む
出版社:株式会社講談社
発行年:2020年
占星術上の4つの要素
占星術上のタイムラインには、火・土・風・水という4つの要素があり、それぞれが約200~240年の期間を受け持ち、その役目を終えると次の要素に時代の主軸が移っていくそうです。
・火の時代:関ケ原の戦い ⇒武士階級による全国統治へ
↓
・土の時代:産業革命、フランス革命、アメリカ独立宣言 ⇒王侯貴族から民へ
↓
・風の時代:新型コロナウイルス ⇒?
風の時代とは
有史以来、人が行動様式を変えるに至ったパラダイムシフトは、「農耕革命」と「産業革命」の2つがありました。
そして今、私たちが体感しているこの世界の変化は「情報革命」といってもよいパラダイムシフトだと本書は語っています。
では、従来の「土の時代」から「風の時代」では何か変わるのでしょうか?
本書では次のような変化について説明しています。
土の時代 | → | 風の時代 |
所有 | → | 共有 |
固定 | → | 移動、流動 |
購買 | → | ストーリー、意義・意味 |
貯蓄 | → | 循環 |
お金 | → | 情報、人脈 |
物質 | → | 情報、体験 |
縦社会、肩書 | → | 横のつながり、フラット |
組織 | → | 個人 |
I、自力 | → | We、協力 |
学力・学歴 | → | 知性・知恵 |
常識、既成概念 | → | アイディア |
終身雇用 | → | 副業、フリーランス、起業 |
長時間労働 | → | 「過剰労働」概念の薄まり |
大規模市場 | → | 個の軒先販売(私場) |
ビジネスセンス | → | センスビジネス |
リアル | → | リアル&デジタル |
いかがですか?占星術に限らず、このような未来の姿は世の中で言われていることなので耳にしたことがあるかもしれませんが、今までの生活様式や認識・価値観が激変していくことがわかるかと思います。
ここ1年間の状況から、皆さんも新しい時代の変化を感じ取っているのではないでしょうか?
風の時代におけるプロジェクトマネジメント
上記から、「風の時代」においては従来のプロジェクトマネジメント手法が通用しなくなることに皆さんはもうお気づきかと思います。
例えば、本書では、これからの時代は「ビジネスセンス」よりも「センスビジネス」が優勢になっていくとしています。
「センスビジネス」の真意は、「センス」を売る、センスで貢献する、センスをパッケージ化するといったもの。
従来の仕様上しかたなく同じシステムを踏襲して、何も考えずに、それがそこにあればいいだろうといった気持ちが、商品やサービスから垣間見られるものはこれからの時代にはオワコン化・退場していくと語っています。
つまり、プロジェクトマネジメントにおいて、何も考えずに従来を踏襲しているだけでは、そのプロジェクト自体がオワコン化してしまうのです。
そのような状況に対しての救世主が「いいセンスを持つ人たち」。
すなわち、プロジェクトマネジメントをよりよい方向へ変容させるために以下の行動をとると良いのではないでしょうか。
- プロジェクト遂行に対しての倫理観・色彩/形態感覚・バランス感覚・ワードセンスなどの「いいセンスを身に着ける」
これから
認識や価値観が変化していく中でのプロジェクトマネジメントがどのように変わっていくのか、現時点では誰にもわかりませんし、誰も正解を持っていません。
しかし、この大きな時代の変換期に立ち会えていることを喜びととらえ、チームメンバとプロジェクトを成功させていくための新しい挑戦ができること、これもプロジェクトマネジメントの醍醐味ではないでしょうか。
試行錯誤したり、立ち止まったりするかもしれません。
それらもすべてチームメンバと経験を共有しながら知見として、楽しみながら協力して乗り越えていくこと、これがこれからの時代に必要なのではないでしょうか。
今回ご紹介した「風の時代」における変化が、皆さんの活動のご参考になりましたら幸いです。