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システム導入したものの

PJ活動お役立ちコラム
第4回 2020年12月22日
システム導入したものの

システムを使いこなせていますか?

プロジェクトの効率化のためにシステム導入してはみたけど、うまく使いこなせていないな。何だか面倒くさくて時間の無駄だな。そんなこと思ったことありませんか。
たとえば進捗管理システムやファイル検索システムなどなど、世の中には様々なシステムがありますが、これは便利そう、と思って導入したものの、結局今は使っていない、というお話をよく耳にします。
ではこれらシステムは役に立たないものなのでしょうか。実際にお話を伺うと、使いこなせていない共通の原因があったのです。
これからご紹介する例を参考に、使いこなせていないシステムの活用を再検討してみてはいかがでしょう。もちろんこれからシステム導入しようとしている方も参考にしてみてください。

ここでは、あるプロジェクトにおける進捗管理システムの導入を想定した例でご紹介します。
このプロジェクトでは、多岐にわたる工程とその進捗を表計算ソフトの複数ファイルで管理していました。プロジェクトメンバーは日々このファイル更新に工数を割き、時間が無駄だと感じています。それを見かねたプロジェクトリーダーは、進捗管理システムを導入することにしました。そして数ある管理ファイルの情報をシステムに投入し移行しようとしましたが、項目の重複もあれば書式の不統一などがあり、さらにはどの項目をどうシステムに移行すればよいのか頭を悩ますようになり、システム利用が頓挫してしまいました。

システム導入でやるべきこととは

では、このシステム導入において、やるべきことは何だったのでしょうか。
第一に目的を明確にすることです。
本来の目的は、プロジェクトの進行状況を日々見える化し、遅延の根本原因やリスクを排除することでした。当たり前の話のようではありますが、システム導入そのものや、管理ファイルの情報をシステムに置き換えることが目的ではないのです。今一度何をやりたいのか振り返るとよいでしょう。
さらにはシステム導入時において、何のためにシステムを利用するのかプロジェクトメンバーと目的を共有することも重要です。

第二に業務プロセスの可視化です。
システムで工程管理する上で、現状のプロセスをあらためてフローチャートなどで可視化するとよいでしょう。この可視化した工程に従って、システムにどの順でどの情報を投入すべきか設計していくとよいと思います。その際、既存の管理ファイルの情報でどれが移行に必要か必要でないか仕分けすることで、実は必要のない情報を管理していたことに気づくこともあるかもしれません。
プロセスの可視化は、まず大きな工程に分解してから、それぞれの工程をさらに細かく分解していくのがコツです。作業手順書などを起こす際に、見出しレベルから組み立てていくのと同じようなものです。
なお、可視化の際、プロセスそのものにムダがあれば、この機会に見直すのもよいでしょう。
ムダを排除しプロセスを最適化することで、プロジェクトそのものの効率化はもちろんのこと、システム上の管理もその分シンプルになります。
本格的にプロセスを見直すのであれば、各工程の所要時間を計測し、ボトルネックになっている工程の改善を図るとよいでしょう。

第三に小さく始めることです。
いきなりすべてのプロセスをシステムで管理しようとしても、どこかの工程で問題が見つかった場合、その内容によっては全体の管理を見直すことになるからです。
スモールスタートで効果を見極めながら改善を進め、徐々にシステムで管理する工程を増やしていくとよいでしょう。

DXによる変革をも見据えて

システム導入でやることをまとめるとこういうことです。
・目的を明確にする
・業務プロセスを可視化する
・小さく始める

今回は進捗管理システムの導入を想定した例にやるべきことをご紹介しました。これがすべてではありませんが、システムが違っても導入時における基本的な考え方はほぼ同じです。
システムをうまく活用することで業務効率化を図られるだけでなく、使い方によってはデジタルトランスフォーメーション(DX)で変革をもたらす情報源として活用できるかもしれません。

参考になることがありましたら、ぜひ試してみてください。